会長の言葉

前置詞は、英文法上非常に英語らしく、原始的な品詞と言えます。これはJohn gave Mary a book.(ジョンはメアリーに本をあげた)という英文を名詞表現にしたときに、前置詞が現れることから理解できます。この文の名詞表現は、the gift of a book to Mary by Johnとなるのです。つまり、「・・・が」にあたる主語はby …で、「・・・に」にあたる間接目的語はto …で、「・・・を」にあたる直接目的語はof …で表わすことができるのです。その他の「てにをは」、例えば、起点を表す「・・・から」は主にfrom …で、道具を表す「・・・で」は主にwith …で表さざるを得ません。それだけ前置詞は重要だということになります。

前置詞は、名詞の前に置かれるので「前置詞」という名称を持っています。そして、生き物のごとく名詞同士の関係を活性化するので、「善血詞(ぜんちし)」(英文内の善なる血のような品詞)であり、前置詞を理解することにより英語全体も理解できるようになるので、「全知詞(ぜんちし)」(英語の全体像を知ることができる品詞)であると言えます。

真にして新の英語コミュニケーターを目指す人は、以上のように重要な前置詞を学習し、マスターすべきでしょう。また、英語教育に携わる先生や英語を研究する言語学者、さらには英文法をこよなく愛する英文法マニアは、是非前置詞の奥深さを研究してください。最後に、英語を学ぶすべての人に前置詞の面白さを知っていただきたいと思っています。

本NPO法人「日本前置詞普及会」は、主として英語前置詞に関する教育・研究を推進し、前置詞の重要性・奥深さ・面白さを日本のみならず世界に広めます。前置詞の教育・研究に関わる全ての皆様に、前置詞を学ぶ全ての方々に、前置詞の知識と技術が身に付くこと、そして、前置詞によって人生がより豊かになることを祈っています。

英語前置詞普及会会長 石井隆之